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2014年10月 2日 (木)

杞憂で済まない外交

今日も中国語放送に纏わる話題。今日の放送内容は中国の成語故事(故事ことわざ)。

「杞人忧天」(杞の国(河南省開封辺り)の人、天を憂える=杞憂)。難しい。レベルを

上げて実力不相応の中国語に挑んでいる。だからとても難しい、しかし、内容が面白い。

日本語の「杞憂」の語源の話である。

さて、昨日の新聞に小生も全く同感という記事が載った。小生も杞憂するその内容は

下記『』内の通りである。ブログ記事も便利なOCRソフトのお蔭で、新聞の長文記事

も簡単に取り込むことが出来る。拝借転載は、安易なブログに陥り易いから要注意think

日本政府は9月下旬、ウクライナ問題に関する対露追加制裁を発表した。だが今回も、

G7(先進7力国)に渋々おつき合いする様子が見え隠れする。1回目の制裁がロシア

要人の入国を禁じていなかったため、プーチン大統領の「側近中の側近」、セーチン氏

は大手を振って来日している。要するに、日本側の対露制裁は遅すぎるばかりか不十

分なのである。そのような感想を私か抱く理由を、3点に限って指摘する。 

「クリミアと北方領土は同根」

 第1に、己の領土をいわれなく奪われて実効支配されているという点て、北方領土と

ウクライナ南部のクリミア半島の問題が同根であること。日本とウクライナはともに、

旧ソ連ないしは継承国ロシアによる軍事力の行使による、明らかな国際法違反行為の

犠牲者という境遇にある。したがって、日本はG7の対露制裁に単に参画するだけでは

なく、むしろ、率先垂範して制裁の旗振り役を務めてもおかしくないのである。ところが、

安倍音三政権は次のような理屈をこねているかにみえる。わが国にはロシアに北方

領土を返還させるという悲願がある。そのための環境整備が曲がりなりにも進捗しつつ

ある現在、対露制裁に余り熱心な姿勢を示して折角改善しつつある雰囲気をぶち壊す

愚を犯したくない、と。上記は、説得力を欠く主張と評さざるを得ない。そのような理由

で対露制裁に躊躇するなら、日本は二重基準を採る利己的な国家に堕すからである。

つまり、自国領土を取り戻すことには熱心な一方、他国が同様の仕打ちを蒙った場合

は非協力を決め込む。むしろ、その逆こそが日本として取るべき正しい態度だろう。

戦後日本は69年の長きにわたり、領土が略奪される悲劇を経験している。したがって、

G7諸国でウクライナの憤りや心情を最も良く理解する立場にあり、クリミアなどを

めぐる対露制裁に最も積極的な姿勢を取ることに吝かではない、と。

「中韓へのシグナル忘れるな」

わが国が厳しい制裁をロシアに科さなければならない第2の理由がある。日本が韓国や

中国との間で領土紛争を抱えているという事情である。つまり、韓国は目下、日本固有

の領土である竹島を不法占拠中であり、中国も隙あらば日本から尖閣諸島を奪おうと

虎視耽々と機会を狙っている。 そのような状況下で、安倍政権がクリミアなどウクライナ

の問題と北方領土のの問題について首尾一貫しない態度を示すならば、どうであろう。

日本の対応を刮目して見守っている北京やソウルに対して、誤解を招くメッセージを発信

することになるだろう。外交活動は、相手側に直接向けた言動だけによって行われるとは

限らない。必ずしも当事者でない第三国に対する言動を通じても展開される。いわゆる、

diplomacy by examples(例示外交)である。その意味で、民主党政権は、袴田

茂樹・新潟県立大学教授がよく引かれるように、致命的な過ちを犯している。2012年

7月、ロシアのメドページェフ首相が国後島再訪という「屈辱」をわが国に与えたにも

かかわらず、玄葉光一郎外相はわざわざプーチン露大統領を保養先のソチに訪ねた。

秋田犬の土産まで持参して。 奪われた領土に関するかくも鈍感な日本の態度から

学んだのは、ロシアだけではなかった。韓国の李明博大統領は早速、竹島上陸を敢行

し、中国も尖閣諸島沖で海上保安庁の巡視船に中国漁船を衝突させるといった露骨な

対日揺さぶり行動を起こしている。

「対米協調路線を貫く重要性」 

ウクライナ危機、特にロシアによるクリミア併合で第3に肝要なのは、安倍政権が対米

協調路線を貫くということである。戦後日本は国際紛争を武力で解決することを自らに

禁じてきている。ジョセフーナイ米ハーバード大教授は、常々引用しているように、次の

ような比喩を用いて、外交交渉における目本の敗北を予言している。「もし、右手を用い

ることを自らに禁じて左手だけを使うボクサーがいると仮定しよう。そのことを熟知して

いる相手ボクサーは、きっと彼の右側を攻めてくるにちがいない」と。自らの軍事力だけ

に頼り得ない戦後日本は、米国と同盟関係を組むことによって、初めて身の安全を確保

し得てきた。核兵器を持っていない日本を例えば、武力を信奉する「プーチンのロシア」

が国家ないしは交渉相手として認めてきた背景には、日本の背後に米国が控えている

こともあった。尖閣諸島についていえば、米国は諸島が日本の施政権下にあり、日米

安保条約の適用対象になると繰り返し保障してくれている。 そんな日本がウクライナ

危機に際し米国の対露制裁方針に必ずしも賛同せず、何とかしてそれを逃れようとさえ

試みるならば、どうであろう。日本の姿勢は身勝手な甘兄ん坊のように映り、米国を

はじめ世界の各国に内心では蔑視され、事実上、G7内で仲間外れにされる危険さえ

はらむ。
       
このロシア外交に積極的な人が、森元総理。日本の元総理経験者が相変わらず威光

を放っている。外交活動に積極的である。安倍総理の意向であるが、プーチン氏と親交

の深い彼の助言、意見が幅を利かせているのであろうと。日本には「毅然とする」と

いう言葉が無くなってしまったようだ。毅然外交は影を潜め、あいまいの玉虫色外交に。

目先の利益を追い、大局観を失い、嘆かわしいことに世界の国から信用、信頼が失わ

れ、相手にされなくなっていく。杞憂では済まないだろう。北方領土が遠のいていく weep 

*2014年10月1日新聞掲載  「日本こそ対露制裁の旗振り役に」
                      北海道大学名誉教授  木村 汎 氏 執筆

*関連ブログ    2013年3月16日記事    「2%インフレ」

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